数列の分野ででてくる記号シグマ「Σ」についてなれていただければと思い、いくつか例を挙げていきます。
シグマのルールをもう一度
$$\sum_{k=1}^n a_k $$
この例のように
シグマ「Σ」には下と上と右側の3箇所になにがしか書いてあります。(左側にもあるときもあります。)
まずはこの下と上と右側の役割をおさらいしておきます。
下と上
下と上はペアになってまして、
下はk=1とあり、「何らかの文字=0以上の整数」
という形になっています。使う文字はkが圧倒的に多く、ほかにi,j,l,m,nなどつかいます。
下は始めの位置、スタート位置を示す感じでk=1と書いてあればk=1から
ととらえておくと良いでしょう。
上は単独のnなどかいてあります。文字がかいてあることが多いですが、
下がk=1と=の右に書いてある数以上の整数という役割です。
もし、下にk=10とあって上がnと書いてあったらそのnは10以上の整数(自然数)となります。
具体化のルール
$$\sum_{k=1}^n a_k $$
の例で具体化します。k=1からnまで、nまでというのは下がk=と書いてありますので、k=nまでという意味です。
k=1からk=nまでの右側のものを足していくということになります。
k=1のとき $$a_kはa_1 $$
k=2のとき $$a_kはa_2 $$
k=3のとき$$ a_k はa_3$$
・・・
k=nのとき$$a_kはa_n$$
ですから
$$\sum_{k=1}^n a_k=a_1 +a_2 +a_3 + \dots +a_n $$
となります。
k=1のときの右側、k=2の時の右側、・・・と右側をk=1からk=nまで変化させていったときのものを足していくというルールです。
ちなみに
上の例でnに2と代入するとk=1からk=2までとなりますので
$$\sum_{k=1}^2 a_k=a_1 +a_2 $$
となりますし、nに1と代入すると
k=1からk=1まで(変な表現ですが・・)となりますので
$$\sum_{k=1}^1 a_k=a_1 $$
下がk=2で上が5とあれば
$$\sum_{k=2}^5 a_k =a_2 +a_3 +a_4 +a_5 $$
となります。
具体化させたあとはこのブログでは取り上げておりませんが、解き方のわかっている数列(等差数列や等比数列など)ならばその知識をもとに和を求めていくことになります。
具体化すれば必ず和が求まるというわけではないですが、その和の正体をつかむことで解決する糸口となりやすいという意味で具体化は効果的であることがあります。ですので、正しく具体化するルールをこのブログを通して身につけて頂ければ幸いです。
同じ数列の和のいろいろなΣでの表現
もう少し例を見ていただきましょう。nは自然数としまして、
$$1+2+3+ \dots +n$$
という数列の和はシグマで表すと、(具体的な和をシグマでまとめられるようにもなっていくと良いでしょう。)
$$\sum_{k=1}^n k $$
となります。
実際、k=1のときのkは1、 k=2のときのkは2、・・・k=nのときのkはnですからたしかに1からnまでの自然数の和となっております。
別の文字でも
次にこのシグマはどうでしょうか。
$$\sum_{i=1}^n i $$
i=1からi=nまで「i」をたしていくわけですが、
i=1のときのiは1、i=2のときのiは2、・・・i=nのときのiはnですから
実はこのシグマは
$$\sum_{i=1}^n i =1+2+\dots +n$$
と同じ数列の和になります。k=・・とkを使うことが多いのですがほかの文字でも対応できるようにしておいていただきたいという意図で書いてみました。
=1スタートばかりじゃない
次に
$$\sum_{k=0}^{n-1}(k+1) $$
について、下がk=0上がnー1とありますので
k=0、1,2、・・・、nー1まで「k+1」を足していくことになります。
k=0のときk+1は1
k=1のときk+1は1+1で2
k=2のときk+1は2+1で3
・・・
k=nー1のとき、k+1はnー1+1でn
となりますから
やはりこのシグマも
$$\sum_{k=0}^{n-1}(k+1) =1+2+\dots +n$$
と同じ数列の和を表しています。
一見するととらえにくいですが、、
次の例は
$$\sum_{j=1}^n (n+1-j) $$
を扱ってみます。
ルールにもとづいてj=1からj=nまで「n+1-j」というのを
足していくだけです。
j=1のとき、n+1-j=n+1-1=n
j=2のとき、n+1-j=n+1-2=nー1
・・・
j=nー1のとき n+1-(nー1)=2
j=nのとき n+1-n=1
となりますので
$$\sum_{j=1}^n (n+1-j)=n+(n-1)+\dots+2+1 $$
と並び順は違いますが同じ1からnまでの和となります。
今の例など特にそうなのですが、一見するととらえにくいシグマも具体化すると扱いやすい和になることがありますので、正しく具体化するルールをご記憶下さいませ。
最後に
$$\sum_{j=1}^n c $$
という例を出してみます。ここではcはjによって変化しない定数とします。
j=1のときcはcのまま
j=2のときcはこのまま
・・・
j=nのときcはやっぱりcのまま
ですから
$$\sum_{j=1}^n c =c+c+\dots +c =nc$$
cがn個ならんでncとなります。
ご覧下さりありがとうございます。
コメント