積分計算の1種である定積分の計算のルールを紹介します。
微分の計算ができること、それをもとに不定積分の計算ができることが前提となりますが、不定積分の仕方は復習しつつ進めていきたいと思います。
定積分とは何か。例を挙げてみます。
不定積分は
$$\int (x+1)dx$$
といった細長いSのような記号(インテグラルと呼びます。)とdxやほかの問題ではdt、ディー+何らかの文字ではさまれたものです。
今の例ではx+1がはさまれており、x+1をxで不定積分せよという計算の指令、命令みたいなものです。
今の例の計算を実際におこなうと、dxなのでxで微分したら中身のx+1になるものを答えるのでした。
したがって、
$$\int (x+1)dx=\frac{1}{2}x^2+x+C \ (Cは積分定数)$$
Cのところはなんらかの(なんでもよい)定数です。(今、xで積分しましたがxによって変化しないならCでもaでもなんでもよいです。xで微分しましたら、ゼロになってなくなってしまいます。)実際、答えをxで微分すると、もとの積分の中身のx+1になります。
こういったインテグラルと「d?」で何らかの式がはさまれたものが
不定積分でした。
定積分とは、実例を出しますと、
$$ \int_1^2 (x+1)dx$$
といった、インテグラルの上と下に小さい数が入っているタイプの積分です。(必ず上と下両方に数字が入っています。)
小さい数の意味、解釈
今挙げた定積分の実際の計算の仕方を紹介することを通して、
定積分の計算の仕方を身につけていただければと思います。
その前に、新しく現れたインテグラルの右の小さい数たちについて
紹介しますと、今の例
$$ \int_1^2 (x+1)dx$$
dx(xで積分しようとしているので)
x=1(下の小さい数)からx=2(上の数の小さい数)まで
中身(この例では)x+1をxで
定積分しようとしているのだということになります。積分しようとしている文字(dの右の文字、今だとx)を補って考えると良いです。下の数は上の数より小さいといけないわけではありません。
実際の計算の仕方、2段階を身につけて頂ければ良いでしょう。
実際の計算に入ります。あたらしく登場するのは2ヶ所あり、それを
完了させれば、普通の四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)で答えまでたどりつけますので、2箇所の部分を特に注意してできるようにしていってください。
step1 この形の[]をつかって
まずはこの[]、普通の丸いかっこ()ではなく、角ばった形を用いて、
中身に不定積分を書きます。今の例ですと、
$$ \int_1^2 (x+1)dx=[ \frac{1}{2}x^2+x]_1^2$$
インテグラルの右の小さい数は上下の位置を変えずにそのまま[]の右に書き写します。[]の中身は不定積分で答えるものをそのまま書き写します。このとき、不定積分で書いたCはなくてよい、なくしてください。(あっても問題ないのですが、手間なので略すことがほとんどです。)これで、第1段階は完了です。
step2 [ ] の計算の仕方、方法
次に、登場した[ ]の計算の仕方を紹介します。今の例の続きを示しますと、
$$ \int_1^2 (x+1)dx=[ \frac{1}{2}x^2+x]_1^2=(\frac{1}{2}2^2+2)-(\frac{1}{2}+1)$$
どのような計算をしたのかといいますと、まずは( )ー( )という形をつくり、
最初の、左側の()は[ ]の中身のxにx=2(インテグラルの右上の小さい数)を代入します。次のかっこには[ ] の中身にx=1(インテグラルの右下の小さい数)を代入します。これで第2段階終了です。
$$[ 中身 ]_a^b =(中身にb代入したもの)- (中身にa代入したもの)$$
中身のどこに代入するかという点ですが、dxならx、dtならtと積分しようとしている文字に代入します。
2段階のポイントは終わりまして、あとは現れたものを今まで通り正しく計算するのみです。
$$ \int_1^2 (x+1)dx=[ \frac{1}{2}x^2+x]_1^2=(\frac{1}{2}2^2+2)-(\frac{1}{2}+1)=(2+2)-(\frac{3}{2})=4-\frac{3}{2}=\frac{5}{2}$$
分数計算が多く現れるので、計算ミスしないようにご注意頂きたいです。
定積分の計算の仕方を紹介してみました。もう一つ例を挙げてみます。中身は違っても同じルールで計算がされていることをご確認ください。
$$\int_3^9 t^2 dt=[\frac{1}{3}t^3 ]_3^9=(\frac{1}{3}9^3)-(\frac{1}{3}3^3)=243-9=234$$
計算をたどってみますと、t2乗をtで積分して3分の1のt3乗。これを[ ]内に書きます。次に、[ ]内の中身に、( t=9代入したもの)ー(t=3代入したもの)という形をつくって、あとは現れたものを計算していくのみです。2つの例はxとtで積分する文字は違っても計算の流れは同じだとご理解いただければ幸いです。
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