定積分の計算の仕方を前回の記事で紹介しました。定積分自体は計算の1種であり、正しく計算するとマイナスの数、負の数が答えになることもあります。
今回は、定積分の計算を使って求められることを1つ紹介します。
定積分を使って面積を求めることができます。
xy平面上の図形の面積を求めることができます。
はじめて定積分を使って面積を求める方もいらっしゃると思いますので、まずは三角形や長方形など、すでに面積の求め方、公式を知っているものを、あえて、わざわざ定積分を使って求めてみます。
三角形、長方形などの面積を定積分を使って求めてみる。
定積分を使って面積を求めることに慣れていただくために、三角形や長方形の面積を求めてみますが、問題でこれらの面積を求めるときは、もちろん、今までに学んでいる、各公式、(三角形でしたら底辺×高さ÷2ですとか、長方形でしたら、たて×よこ)が使えるときは公式を使って求めてくださいね。(定積分を使ったからといって点が上乗せされることはまずないと思います。)
式の立て方が重要
式の立て方にはルールがありますので、具体的に問題を解いて説明していきます。
問題1
$$4本の直線、y=1, \ y=5, \ x=2, \ x=4で囲まれた図形の面積を求めてください。$$
解き方
直線y=(なんらかの定数)タイプは、x軸と平行な真横の直線でした。
y=1の高さから5の高さまでですので、たての長さは4です。
また、直線x=定数タイプの直線はy軸と平行な直線でx=2のところから右へ行ってx=4のところまでですので、よこの長さは2です。
したがいまして、求める面積は4×2=8です。
(答案にここまで長く書く必要はないでしょう。)
積分を使うと・・・
積分の中身
囲んでいる上側の式、下側の式がなにかをつかみます。
今回は、上がy=5,下がy=1ですね。ですので、積分の中身は
5-1となります。「積分の中身は上引く下」
積分区間
積分区間(インテグラルの右の上下にある小さい数)は図形のある左端と右端です。今の長方形ですと左端がx=2ですのでインテグラルの右下の小さい数は2、右端はx=4ですのでインテグラルの右上は4となります。
以上をまとめて積分の式は次のようになります。
$$\int_2^4 (5-1)dx$$
あとは計算問題だととらえてもらって、正しく計算していきます。
$$\int_2^4 (5-1)dx=\int_2^4 4dx=[4x]_2^4=16-8=8$$
たしかに、この長方形の面積8がでてきます。(定積分の計算の仕方はよろしければ過去の記事をご覧下さい。)
ポイントは、
・上側にあるグラフと、下側にあるグラフが何かを正しくつかみ、積分の中身を「上ー下」とすること
・左側、右側は上下の2つのグラフが交わっていなければ、y軸平行なタテの直線で囲んでいるものなら求めることができて、その両端のxが積分区間になります。
という2点です。
もう1つ、端が2つのグラフで交わっているタイプの面積を求めてみます。
問題2
3本の直線
$$y=1, \ y=2x+1, \ x=3$$
で囲まれた図形の面積を求めてください。
解き方
グラフを参考にしていただくと良いですが、求めるときは底辺が3、高さが6ですから、3×6÷2=・・・=9と求めてください。あえて定積分で求めてみます。
定積分を使うと、・・・
上側の式はy=2x+1で、下側の式はy=1ですから、積分の中身は上引く下で2x+1-1となります。計算してしまって2xとなります。
積分区間についてですが、左端は交わってますが、このときはそこが左端としてしまって大丈夫です。したがって、交わっているところのx=0から、右端はx=3ですので、1から3までが積分区間です。
以上より
$$\int_0^3 2x dx$$
となります。実際に計算しますと
$$\int_0^3 2x dx=[x^2]_0^3=3^2 -0^2=9$$
となり、公式で求めた面積の9と一致します。
まとめ
2つの簡単な例を通して、積分を使った面積の求め方を見ていただきました。積分の中身と区間の決め方にはルールがありますのでそのルールをほかの問題でも使ってみて身につけていっていただければよろしいかと存じます。
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