積分の計算の仕方① 不定積分1st 

高2積分

高校2年で登場する積分の計算の方法を紹介します。積分も微分と同じく

計算の1種であるととらえていただいて問題ありません。積分計算ができるようになるためには、微分の計算ができるようになっていただいていることが前提ですので、おおまかではありますが、微分計算をふりかえります。高2微分のカテゴリーの記事もよろしければご覧下さい。

微分の計算の復習

何で(どの文字で)微分するかを明確に

単に「微分する」と言ってしまうことが多いのですが、何で微分するかは

ご自身で微分の計算するときには問われたら言えるように明確にしておいてください。xで微分する、tで微分する、aで微分する・・・といった具合にです。xをつかった式でしたら、通常xで微分することが多いです。(ある文字の式だったら、その文字で微分することが多いです。)

n乗の微分

高校2年の微分では、ある文字のn乗(nは自然数)、xの1乗(単なるx)、xの2乗、xの3乗、・・・、t、tの2乗、tの3乗、・・・これらの微分、もしくはそれらの和で表されたn次多項式の微分ができれば十分です。(n乗とかきましたがおもに3乗までが一番多く出題されます。)

1乗の微分

$$xをxで微分すると、1。表記は(x)’=1または\frac{dx}{dx}=1$$

$$tをtで微分すると、1。表記は(t)’=1または\frac{dt}{dt}=1$$

$$aをaで微分すると、1。表記は(a)’=1または\frac{da}{da}=1$$

2乗の微分

$$x^2をxで微分すると、2x。表記は(x^2)’=2xまたは\frac{d}{dx}x^2=2x$$

$$t^2をtで微分すると、2t。表記は(t^2)’=2tまたは\frac{d}{dt}t^2=2t$$

$$a^2をaで微分すると、2a。表記は(a^2)’=2aまたは\frac{d}{da}a^2=2a$$

3乗の微分

$$x^3をxで微分すると、3x^2。表記は(x^3)’=3x^2または\frac{d}{dx}x^3=3x^2$$

$$t^3をtで微分すると、3t^2。表記は(t^3)’=3t^2または\frac{d}{dt}t^3=3t^2$$

n乗の微分の共通点

ここまでご覧下さってお気づきの方もいらっしゃると思いますが、

なにかのn乗を微分すると、nが左に現れて、n乗だったのがひとつ少ないn-1乗になるという共通点があります。

定数の微分

1ですとか、ー100といった具体的な数、また、ある文字で微分しようとするときその文字によって変化しない定数はどちらも微分するとゼロになります。

$$(1)’=0, \ \  (\sqrt{3})’=0$$

$$aがxによらない定数ならば、xで微分すると(a)’=0, \ (a^2)’=0, \ (3a)’=0$$

多項式の微分

たし算(引き算)でつながれた式を微分するときは足し算でつながれた各項を微分すればよいです。

$$(x^2+1)’=(x^2)’+(1)’=2x$$

(xで微分しました。xの2乗と1をそれぞれ微分すれば良いです。)

$$(3t^2 -2t -2)’=(3t^2)’-(2t)’-(2)’=6t-2$$

(tで微分しました。それぞれ微分しました。)

積分計算の紹介 不定積分

積分には2種類ある

微分の復習が長くなりました。それでは積分に入ります。ただ、積分には2種類あることを紹介させてください

不定積分と定積分 区間を定めるか定めないか

積分には不定積分と定積分がありまして、式の見た目から区別は簡単にできます。

$$\int x dx  , \ \int_{1}^{2} x dx $$

細長いsのような記号$$\int $$はインテグラルと呼びます。インテグラルはどちらもありますが右側には小さい1と2があります。この小さい数2つが書いてある積分が定積分です。なにもなければ不定積分です。

不定積分の計算 微分する前を答える

これから不定積分の計算法を紹介します。

ただ、注意点として、微分する時と同じで何で(どの文字で)積分するかは言えるようにしておいてください。

ただ、積分の場合はインテグラルとdxやdtなど「ディーなにかの文字」ではさむので見て分かるようになっています。(dxだったらxで積分する)

一般論 共通する考え方

何かをなにかの文字で不定積分するとは微分してその何かになるものを答えることです。例を挙げます。

【例1】 1をxで(不定)積分すると、(xで微分すると1になるものはxだったから答えはx。表し方は、

$$ \int 1 dx =x+C \ (Cは積分定数)$$

インテグラルとdx(今回はxで積分しようとしている)ではさまれたものが積分しようとしているものです。微分してその中身(今回は1)になるものを答えれば良いので、それはxだと思い出し、xと答えます。

微分の知識が必要です。また、大文字Cについてですが、

定数を微分するとゼロになることを思い出していただきたいのですが、微分して1になるのは、xもそうですが

x+1、x-2、・・・などx+(定数)の形だったらなんでも微分すれば1になるわけです。したがって、まとめて表記すべく定数Cを使って上のように書くのが正確な答えとなります。Cは積分定数のコメントも付けておいてくださいね。

いくつか、不定積分の例をあげてみます。

【例2】2tをtで不定積分すると

(tで微分して2tとなるのはtの2乗でしたから)

$$\int 2t dt =t^2 +C (Cは積分定数)$$

【例3】

$$ \int (3x^2 +2)dx=x^3 +2x +C (Cは積分定数)$$

(答えを先に書きましたが、足し算でつながれてますので微分のときと同じように3xの2乗と2の積分はそれぞれ別々に分けて考えます。微分して3xの2乗になるのはxの3乗だったと思い出し、また、微分して2になるのは2xだということで答えが出ます。)

※出した答えを微分して中身になれば合っているという

たしかめ算もできます。

【追記】読者様にご指摘いただきまして一部修正させていただきました。2019年2月15日 作成者拝

 

 

 

 

 

 

コメント

  1. 田中 俊雄 より:

    「2乗の微分」のa^2の項で、d/da a^2 = 1 となる過程が分かりません
    また、最後の
    (√3)’ = 1の過程が分かりません
    教えてくださいませんか?

    • activatorminarai より:

      この度はご指摘いただきありがとうございます。
      私の完全な誤りでした。
      お詫びして訂正させていただきます。