算数から数学へ1 分配法則、交換法則、逆数

【例題】

ホールケーキが2台(2枚、2皿でなく2台と呼ぶみたいですね)あります。それを(それらを)3人で分けると

一人あたり何台分けることになりますか。

注 分数を使って答えてください。

【解答】

$$ 2 \div 3 =2 \times \frac{1}{3} =\frac{2}{3}   $$

$$ \frac{2}{3} 台が答えとなります。$$

 

【補足説明】

1 数学では割り算はあまり使わない、かわりに逆数をかける

割り算はあまり数学では使わないですね。何かの数で割るときはその逆数をかけます。

今回3で割ったわけですが、かわりに3の逆数の3分の1をかけます。

3で割ることは3分の1倍することと同じであることは日常的に使っていることではないでしょうか。

逆数とはその数を分数として見たときに分母(下の数)と分子(上の数)を逆にした数のことです。

3は分数として表せば

$$ \frac{3}{1} $$ ですから

その逆数は上の3と下の1をひっくり返して

$$ \frac{1}{3} $$

となります。

2 分配法則で説明してみる

実際に2台のホールケーキを3人で分けるときを想像していただくと、1台ずつを3等分して、3分の1を2つずつ3人に分けることになるのではないでしょうか。(ほかにも分け方はあるかもしれませんが。)これを式で表してみましょう。

$$ 2\times \frac{1}{3} $$

$$ = (1+1)\times  \frac{1}{3} $$

$$ =1 \times \frac{1}{3} + 1\times \frac{1}{3} $$

$$ =\frac{1}{3} +\frac{1}{3} $$

$$ =\frac{2}{3} $$

2行目で2を1+1といいかえました。2台を1台ずつに分けたんですね。

3行目で積(掛け算)の分配法則を使いました。3分の1をカッコ内の1にそれぞれ掛けたのです。

分配法則

$$ (a+b)x=ax+bx $$

を使っています。()内の数にそれぞれx(今だと3分の1)をかけています。

こんなふうにして普段の分け方を式に表すこともできます。(もちろん計算としてはわざわざ分ける必要はないです。)

3 交換法則でも表すことができます。

掛け算には交換法則というものもあります。難しく考える必要はなく、3×2も2×3も同じですね、つまり掛け算は左右の数を入れ替えても結果は同じですねと言っているだけです。

$$ ab =ba$$

さきほどの1台ずつを3等分する考えを交換法則を用いて表してみましょう。

$$2 \times \frac{1}{3} $$

$$ =1 \times 2 \times \frac{1}{3} $$

$$ =1\times \frac{1}{3} \times 2 $$

$$ =\frac{1}{3 }\times 2 $$

$$ =\frac{2}{3} $$

2行目で2を1×2にわざわざ変えました。1台が2つということで2に変わりないですので、してもいい変形です。3行目で交換法則を用いて2と3分の1を左右交換しました。

4行目で1台を3分の1倍して(3でわけて)それが2台分ということを式で表すことができます。

【注というかおわび】

計算を縦にかくときは=をそろえて(=の真下に=を書く)書いたほうがいいのですがうまくあらわせませんでした。

 

 

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