高校1年の三角比の範囲にあります正弦定理という定理を紹介します。
特別な直角三角形で正弦定理を使ってみる
正弦定理はすべての三角形に使える定理です。ここでは、30°と60°の直角三角形(三角定規の長細い方の直角三角形)
に正弦定理を使ってみます。この直角三角形は角が30°、60°、90°とすべて分かっており、辺の比は1:2:√3とすべてわかっています。(この比は記憶しておくと良いでしょう。)ここでは、長さをそのまま1,2、√3とすることにします。
向かい合う角と辺の長さを使って
三角形ですので、角が3つ、辺が3本あるわけですが、向かい合う角と辺が3組、3ペア作れます。
位置に注意していただいて、
①30°の向かいは長さ1
②60°の向かいは長さ√3
③90°の向かいは長さ2
と3組作れます。
「sin角分の長さ」を計算してみると
それぞれのペアの角と長さを使って
$$ \frac{長さ}{\sin 角}$$
というものを3組分計算してみますので見ていただきたいです。
①30°の向かいは長さ1
$$ \frac{1}{\sin 30^{\circ}}=\frac{1}{\frac{1}{2}}=2$$
②60°の向かいは長さ√3
$$ \frac{\sqrt{3}}{\sin 60^{\circ}}=\frac{\sqrt{3}}{\frac{\sqrt{3}}{2}}=2$$
③90°の向かいは長さ2
$$ \frac{2}{\sin 90^{\circ}}=\frac{2}{1}=2$$
3つそれぞれ計算してみたところすべて2になりました。(計算用紙を載せておきます。)
この2というのはこの三角形だったため、2になったのですが
正弦定理はこの3つの「sin 角分の長さ」が3つとも等しくなりますという定理です。(くりかえしになりますがどんな三角形でも使えます。)
さらに三角形の外側に接する円について
引き続きこの直角三角形を使っていきます。
三角形の3つの頂点を通る円、これを三角形の外接円(三角形にとって外側で接している。)と呼びますが、この外接円の直径は2となり、先ほど求めた「sin 角分の長さ」の2と一致します。
前のところでもお伝えしましたが、「2」というのはこの三角形だからこそ2になるのですが、正弦定理ではどんな三角形でもこの外接円の直径(半径の2倍)と3つの「sin 角分の長さ」は一致しますと言っています。
ちなみに、今回の三角形は斜辺上に円の中心が現れますが、ほかの三角形ですと、円の中心は三角形の内部ですとか外部に現れることがあります。
正弦定理を式で表すと
正弦定理はどんな三角形でも使えますので、
三角形ABCに正弦定理を使った時の式を表してみますと
$$\frac{a}{\sin \sf{A}}=\frac{b}{\sin \sf{B}}=\frac{c}{\sin \sf{C}}=2\sf{R}$$
となります。4つとも等しいので、問題に応じて必要なものをイコールでつないで解いていくことになります。
(Rが外接円の半径で、2Rで直径の長さになります。)
三角形ABCはよく使うので・・・
三角形ABC特有の呼び方として、角Aの向かい側の辺の長さを小文字a,角Bの向かい側の辺の長さを小文字b,角Cの向かい側の辺の長さを小文字cと呼びます。ほかの三角形DEFですとか三角形PQRでは使う前に辺の長さを
文字でおくという「断り書き」が必要です。
問題例1
正弦定理を解ける問題を1つ紹介します。
問題 図の三角形のxを求めてください。
解き方の例
角や辺の長さがわかっているところを見ていただきますと
60度と√2は向かい合っていて、正弦定理の「sin角分の長さ」という式が作れます。また、求めたいxとその向かい合う角の45°も作れます。
2つの「sin角分の長さ」は正弦定理よりイコールで結べますから
$$\frac{x}{\sin45^{\circ}}=\frac{\sqrt{2}}{\sin 60^{\circ}}$$
あとは計算に集中していただければよく、
$$x=\frac{2\sqrt{3}}{3}$$となります。(計算用紙を下に載せておきます。)
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