微分の計算、増減表の書き方を紹介してきました。ここでは、これらに関連して問題に出てくる極値について紹介していきます。
極値とは、極大値と極小値の総称で、
極大値とは、y=f(x)でいいますと、グラフとしては右上がりから右下がりに変わっているところのy
増減表でいえば、y’がプラスからマイナスに転じているところのy
極小値とは、グラフとしては右下がりから右上がりへと転じている、つまり
増減表で言えば、y’がマイナスからプラスへとかわっているところのyになります。
ですので、極値が問われたときには、増減表が正しく作れれば答えられます。(グラフは必ずしも描かなくて良いです。)
いくつか問題とその解き方の例を挙げてみます。
問題1
$$y=x^2 の極値を求めてください。$$
※2次関数の極値が聞かれることはあまりないですが、簡単な例として出題してみました。
(解き方の例)
$$y=x^2 に対して、y’=2x(微分しました)$$
$$y’=0を解くと、2x=0からx=0$$
(y’の符号プラスかマイナスかを知りたいので、その変わり目の可能性のあるゼロになるところを探しました)
増減表は以下の通りである。
したがって、求める極値は
(答)x=0のとき極小値0
(極値を求めるので、極大・極小と区別せず極値は0と答えても良いはずですが、教科書等では極大か極小かを明確にして答えてあることが多いですので、それに従いました。ちなみに、最小値も聞かれたらx=0で極小値かつ最小値で0などとコメントしておけばよいでしょう。)
問題2
$$y=-x^2 +1の極値を答えてください。$$
まずは、増減表の完成を目指します。
$$y=-x^2+1を微分するとy’=-2x$$
$$y’=-2x=0のとき、x=0$$
増減表は以下の通りとなる。
よって、求める極値は
x=0のとき、極大値1
問題3 $$y=x^3 +1について$$
(1)極値はあるでしょうか。あれば答えてください。
あるかどうか、意味深な出題です。やっぱり増減表を書いてみます。
$$y=x^3について、y’=3x^2$$
$$y’=3x^2=0よりx=0$$
この関数の増減表は次のとおりである。
したがって、極値はない。
(増減表をかいてみたところ、y’の符号が変わっているところはなかったので、極値はないという結論です。この例のとおり、すべての関数が極値を持っているわけではありません。また、y’がゼロになっているところが極値にいつもなる
わけではありません。)
(2)x=0における接線の方程式を答えてください。
復習として、出題してみました。
x=0のときy=0 ,(0,0)が接点の座標です。
接線の傾きは、y’に接点のx座標を代入して得られるのでした。
$$y’=3x^2にx=0を代入してy’=0 $$
0が接線の傾きです。
これより、傾き0,(0,0)を通る直線の方程式を立てればよいのですから、
$$y=0 \times (x-0)+0=\dots =0 ,つまりy=0$$
が答えとなります。直線y=0はx軸そのものでした。
出題した意味は、もとの関数$$y=x^3$$を接線が貫いているようにみえますが、問題なく接線の方程式と答えて良いことをお伝えしたかったからです。
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