数学入門コースのカテゴリーでは
これから数学の勉強をはじめよう、
またはもう一度やり直そうと考えている皆様の中で、
とくにあまり数学が苦手でしたり、嫌いという方に向けて
少しでもお役に立てればいいなという思いで記事を
提供していきたいと考えております。
扱う内容は、2次関数や三角比といった高校数学で学ぶ
各単元以前の、授業などでは「常識」とされてしまっている部分を
取り上げていきたいと考えております。
今回はx、y、zといった「文字の数」について
いろいろ書いていきます。
数学で用いる文字の数
数学で使う文字はいろいろありまして
x、y、zですとかa,b,cなどのアルファベット、
ほかにはα、β、γ、・・・などのギリシャ文字、
それらを組み合わせた、
sinθ(サインシータ)、cosθ(コサインシータ)、log x(ログエックス)
など本当にいろいろでてきます。
後半の、サインやコサイン、ログが何を意味するのかは
それぞれの単元、三角比や対数を学ぶときに譲りますが
ここでは、「文字の数」全般に共通する認識、
常識的にもっておいて頂きたい考えを書きます。
【重要】文字は「なんらかの数」
※例外もあります。
数学で使う文字は基本的には
なんらかの数
を表しています。
例1
$$x+2xを計算せよ。$$
例1はすぐに3xと答えてくださる方も多いと
思いますが、
このxはなんらかの数を表しています。
演劇などで、でてくる役に通行人Aですとか容疑者xなど
と名付けることがありますが
数学では
「数の代わり」に文字を使う
ということは重要ですので
常識としていただくとよいかと存じます。
数の代わりの文字なら
文字がなんらかの数の代わりを表しているとすると
すべての数で使える計算ルールは
文字の数でも適用できる、使える
ことになりますよね。
$$ 2+2=2\times2=4$$
$$3+3=2\times 3 =6$$
上の計算例をごらんいただきますと
同じ2をたすとき、すぐ4とお答えいただけるかと
思いますが、注目していただきたいのは
同じ2が2個分ということで
2×2といいかえてもいいですよね。
同様に、3+3も答えは6ですが
3が2個分ということで
2×3といいかえてもわけです。
この共通点をもとにして
$$x+x$$
の計算は
$$x+x=2x$$
となります。
2や3のときは4や6と、最終的な答えが出ますが
x+xは2xまでしか計算できません。
すべての数に使える計算ルールをひとつ
ひとつ身につけていくことが
文字の数の計算でも使えることになって
きますので、大事になってきます。
このxがどんな数なのか、
これについては分からなくてもいい
というか、あまり深く考えません。
なにか数なんだろうなという認識程度で
十分です。
$$2+2の変形例 2+2=2\times2=2^2$$
2+2は答えは4ですが、上の例のように「2×2」や「2の2乗」と
姿を変えても間違いではないですよね。
ただ3+3は2×3とは等しい、同じですが
3の2乗とは同じではないですよね。
このことからお分かりいただけるかとおもいますが
$$x+x=2xですがx+x\neq x^2$$
となります。
ご自身で計算していらっしゃって不安になったときは
「これはどんな数でも通用するかどうか」
と具体的な数で確認してみると間違いに気づけるときも
あります。
(ただ、ためした例は問題なかったとしても
ほかにまずい例があるかもしれません。)
文字が数の代わりでないとき 例外
高校2年の数学Bの数列で
Σ(シグマと読みます。)が
出てきますし、
高校2年の数学Ⅱの微分のところで
lim (リミット)が出てきます。
これらは、
「計算、演算」をあらわす文字(記号)
ですので数をあらわすわけではありません。
ひとかたまりで数を表す文字
通常
xy
と計算などででてきたときは
x×yの意味ですので
xになんらかの数、
yになんらかの数
があるのだなという認識ですが、
sin θはθのところには角度、
30°ですとか60°などが入り
sin θ全体でひとつの数を表します。
sinのsやiやnのひとつひとつが数を表しているわけでは
ありません。
定数を表す文字
文字の数は何らかの数を表していると
お伝えしましたが
定まった、決まった数をあえて文字で
表す場合があります、というか
すでにご存知の方も多いとおもいますが、
例えば、
$$ \pi (=3.14\dots)$$
円周率をπと表すのが有名です。
これも文字の数をうまく使っていて
毎回3.14と書くより、一文字で
πと簡単に書き、必要があれば3.14として
計算していけばよいという利点があります。
文字定数の例として、
e=2.71828….ですとかほかにも化学や物理などの理科に
多く登場します。
まとめ
・文字は何らかの数の代わりととらえる
(どんな数かあまり考えない。すべての数に使える計算ルールは文字の数でも使える)
・例外はその都度覚えていってください。
・文字の数は便利
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