微分を使うとき2 グラフの概形 増減表 

高2微分

微分を使うとき1のページで、接線の傾きが求められることを紹介しました。

このページでは、微分を使う例をもう一つ紹介したいと思います。

接線の傾きを使いますので、振り返っておきます。

$$関数y=f(x)のグラフがxy平面にあるとする。$$

(yはxで微分できるものとします)

$$y=f(x)上にある点(a,f(a))における接線の方程式は$$

$$y=f'(a)(x-a)+f(a)$$

微分してxの値を代入したものは「接線の傾き」(接線でなく接線の傾きになる)

になることを覚えていってください。

微分を用いて曲線のグラフがわかります。今までのグラフは?

結論を先に書きました。微分を用いると、曲線のグラフのおよその形、概形がわかります。まずは、そこに入る前に、今までのグラフについて思い出してください。高校2年の微分に入る前にけっこう曲線が登場していました。2次関数、指数関数、対数関数、三角関数などありました。

$$y=ax^2 +bx+c,\ y=a^x,\ y=\sin x ,\ y=\cos x $$

$$y=\log x , \ y=\tan x $$

それぞれ登場したときにこの関数のグラフはこういう形です。なぜそうなるかは

あまり厳密に説明されないままグラフの形を記憶していったと思います。(グラフ固有の特徴、2次関数は軸に関して対称ですとか、三角関数は周期性(同じ形が繰り返されていく性質)があるなど各関数の特徴がある場合は把握しておくこと大事です。)

もしくは、点をいくつかとっていって概形をつかむこともしたと思います。これはこれで有用な時もありますが、どうしても正確さにかけてしまいます。

 

グラフの概形をあらかじめ知らなくても、微分を使う事によって

形がわかるようになります。

まずはどんなグラフにもある特徴は?

まずは関数y=f(x)のグラフがなんらかの曲線だったとして、なんでもいいので描いてみてください。

 

ほんとになんでもいいです。(曲線としたのは、折れ線などとがったところがあると微分できないところがあるので省きました(詳しくは高校3年で学びます。)

ここで、なんでもいいといっておいて申し訳ないのですが、円や横に倒した放物線を描いてくださった方、xに対してyが2つ出てきてしまう箇所があり、y=f(x)(yはxの関数、xを1つ決めればyは1個だけ決まる)の式が2種出てくるので扱えません。高校3年では扱います。

グラフは右上がりと右下がりに分けることができる

そのグラフを適切に分けると右上がりになっているところと、右下がりになっているところに分けることができないでしょうか。

 

(上がりも下がりも横ばいのところもあるでしょうが、横ばいはy=(定数)、

y=2ですとかy=3といった形で簡単に表せるので省略しました。)

右上がり、右下がりそれぞれの特徴 増加・減少

用語をまずは紹介します。右上がりになっているとき、xy平面では、xが増えるにしたがって、yも増えています。右上がりのグラフのところは増加しているといいます。(使い方の例:1<x<3でyは増加している。増加関数であるetc)

右下がりは、xが増えるにしたがってyは減っているので減少している、といいます。

右上がり、右下がりそれぞれに特徴があります。

何箇所か点をとってみてそこの接線を引いてみてください。

右上がりのところは、接線も右上がり
右下がりのところは、接線も右下がり

という特徴があります。

 

ここがポイントで、このことの逆、つまり

接線が右上がりなら、グラフも右上がり
接線が右下がりなら、グラフも右下がり

これが微分を使ってグラフの形をつかもうとするときの考えのもととなる部分です。

もうひとつ、傾きの知識をふりかえっておきます。

直線が右上がり=その直線の傾きは正の数(プラスの数)。
直線が右下がり=その直線の傾きは負の数(マイナスの数)。

イコールのところは同値記号⇔で書くべきですが、同じ意味ととらえておけば十分です。

接線の傾きが正か負か(プラスかマイナスか)

接線の傾きがプラスのところはグラフは右上がり、マイナスのところは右下がりといえることから、接線の傾きが+か-か(符号)を調べればグラフの概形はわかります。

 

どこで+、どこで-になるかか知りたいとき、+と-の変わり目が知りたくなりませんか。その変わり目とはゼロ「0」ではないでしょうか。ですので、接線の傾きがゼロになるところをまずは探すのが手がかりになります。(変わり目が知りたいからゼロを探します。探してみて無い時もあります。値のないところが変わり目のときもあります。←(これは3年)

 

グラフを描きたいときに、増加・減少(右上がり・右下がり)を表にしたものを

増減表といいます。増減表の書き方を以下に記します。

step1   3段の表を作る。(上からx、y’、y)

表の枠組みをつくります。

step2    xの段をうめる。

1段目、xの段をうめます。扱う関数にxの範囲(定義域とよびました。)があれば端をうめます。

次に、微分してy’を求めてy’=0(接線の傾きがゼロになるところ、変わり目探し)

の方程式を解いてy’=0となるxを求め、それをうめます。

step3 y’の段をうめます。

y’=0を解いてでてきたxのところの2段目はゼロです。(「y’=0」のところですもんね。)その2段目の0の左右の空欄に+か-かの符号をうめます。

step4 yの段をうめます。

2段目で+になっているところの真下は右上がりの矢印、-になっているところの真下は右下がりの矢印を書きます。1段目xの数が書いてあるところの3段目は

そのxのときのyをうめてください。 これで完成です。

step5 表をもとにグラフをかく。

1段目のxがかいてあるところの点をとり、(その点の高い低いで右上がりか右下がりかわかってしまいますが)表の3段目の右上がりか右下がりにしたがって

たどっていってください。とがらせないで、なめらかにたどってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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