タンジェント(tan)円を使った求め方 高1三角比・高2三角関数②

高1三角比高2三角関数

sin,cosを円を用いて求めたあとは、タンジェント(tan45°や、tan60°)などの

求め方も知っておいてください。

・sin,cosを使って tanを求める。(3つの相互関係を用いて求める)

・円を使って、xy平面上に視覚的に(目で見えるように)tanを求める

代表的な2つの方法を紹介します。テストではどちらか一つで問題が解ければ良いのですが、どちらも使えるようにしておくことが重要です。

方法1 sin,cos,tanの相互関係

円を用いてsin,cosを求めました。少しふりかえっておきます。詳しくは①をごらんください。

xy平面をかいていただき、さらに中心が原点にあり、半径1の円をかきます。

点(1,0)のところに点Pを置き、図のように点Pを反時計回りにθ回転させます。(図はだいたい150°をイメージしてかきました。θの角度によって点P

の場所は変わります。)その回転後の点Pのx座標がそのままcos,y座標がsinなのでした。

それではtan θは何なのかといいますと、この回転後の点Pのx、y座標を用いて

$$ \tan \theta =\frac{y}{x} $$

になります。xがcos,yがsinでしたから、

$$\tan \theta = \frac{\sin \theta}{\cos \theta} $$

という関係式が成り立ちます。

【注】このx(=cos )がゼロならば分母ゼロとなり、そのときtan は定義されない、存在しません。

先に、回転後の点Pの座標を求めて(sin,cosを求めて)、そのあとtanを求めるという手順ですね。

ちなみに、単なる言い換えですが、こういう表現にも慣れてください。今までと同じ、原点中心・半径1の円があって図のように点Pがあったとします。図のようなθが書かれていたとき、まるでθ回転した後の点Pであると言えるのですから、

この図の点Pの座標はダイレクトに(cos θ,sin θ)であると言ってしまっていいのです。さらに、xy平面上の2点間の距離としては中学3年で学んだと思いますが、点Pはこの円周上のどこかの点にいるわけで、中心(0,0)からの距離はつねに(いつも)1ですから

$$ (\cos \theta -0)^2 +(\sin \theta-0)^2 =1^2 $$

つまり

$$ \cos^2 \theta + \sin^2 \theta =1 $$

という関係式を導くことができます。これもやがて記憶してください。(サイン2乗足すコサイン2乗の順で教科書には書いてあります。同じ意味です。あと、サインシータの2乗の2はシータの前に書きます。コサインも同様です。)

(さらに、この式の両辺をコサイン2乗でわると、・・・)

方法2 回転後の点Pの座標を求めないで、直接tanが座標になるところを求める。

方法1では、回転後の点Pの座標を求めて、tanを求めました。回転後の点Pの座標は、図の中に現れますが、tanは図の中にここという感じでは現れませんでした。次の方法では、回転後の点Pの座標は求めず、(sin,cosは求めず)座標の中にtanを登場させて直接その座標(tan)を求めていきます。

準備 単位円に直線x=1を書き足す

今までと同じ、原点中心、半径1の円(単位円といいます。)を使います。さらに、直線x=1を書き足してください。

 

 

それでは、tan120°の例で説明させてください。

点Pは方法1と同じように、スタート位置から回転させます。120°だとだいたい上の右側のような図になるでしょうか。

 

 

このあと、点Pの座標は求めず、かわりに、原点Oと点Pを結んだ直線を延長させて、さきほど引いておいた直線x=1ぶつかるところ、交わった点をTとでも名付けましょう。

点Tのx座標は必ず1です(x=1上ですから)。点Tのy座標が

tan 120°になります。

point:回転後にとった点Tのy座標がtan

ですので、y座標を探していくことになります。120°の例では、OPは一直線でしたから、図の120°のところの右下が60°になります。すると、図の右側に取り出してかきましたが、直角三角形があらわれ、さらにこの直角三角形は30°、60°の三角定規の型で辺の比は分かっており(中学3年、図をご覧下さい)。点Tのy座標は符号に注意して-√3になります。したがって、

$$ \tan 120^{\circ} = -\sqrt{3} $$

とわかります。

 

120°以外でも点Pを回転させ、OPを延長、点Tを取る手順までは同じですので、何回か使って慣れてください。

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