数列② 初項からn項までの足し算(和)シグマΣ 高校2年数学B

高2数列

前回の記事(数列①)で数列の一般項までを紹介しました。
この記事では数列の問題でよく聞かれる数列の和について説明していきます。

後半では、和を表す記号Σについて紹介します。

数列の和とは?

具体例

次の数列があるとします。

$$1,2,3,\cdots ,n,n+1, \cdots$$

この数列は初項が1で、次が2と1ずつ増えていっている数列ですので第n項(n番目)はnと判断できます。

この数列の数を、初項からn番目まで足したもの

$$1+2+\cdots+n$$

についてnの式で答えると、

$$1+2\cdots+n=\frac{1}{2}n(n+1)$$

となります。

実際、n=3のときは1+2+3=6ですが

右辺にn=3を代入すると、

$$\frac{1}{2}\times3\times (3+1)=\frac{1}{2}\times 3 \times4 =\cdots =6$$

となりますし、

n=2のときは1+2=3(1+2+・・・と書かれていますが、n=2のときは2までの和です。そのときのnの値が最後です。)となりますが、右辺にn=2と代入すれば3とたしかになります。

この数列の初項からn番目までの和がnの式で上のようになるのは、等差数列の和の求め方のところで

詳しく学ぶことになります。ここでは、まずnの式で表すことができれば、たとえば、100番目までの和が知りたければn=100と代入して計算すれば求められるなど、和について知ることが出来るため、だからこそ和が問題で聞かれるのだとお分かりいただければ十分です。

和のまとめ

数列

$$\{ a_n \}$$について

$$a_1 +a_2 +\cdots +a_n =nの式$$

が問題でよく問われます。

初項からn番目までの和を

$$S_n$$とおくことが多いです。(Sは英単語summationの頭文字。だと思います。)

$$S_{10}は初項から10番目までの和、$$

$$S_{n-1}$$は初項から「nー1」番目までの和となります。

ちょっとした応用例

もし初項からn番目までの和がnの式で表せたとき

5番目から15番目までの和が聞かれたらですね、

$$S_4とS_{15}が分かるので、それを使って、$$

$$S_{15}-S_4=\cdots$$

と計算していけば求めることできます。

 

$$数列\{a_n \}について$$

$$S_{15}=a_1 +a_2 +a_3 +a_4 +\cdots +a_{15}$$

$$S_4=a_1 +a_2 +a_3 +a_4$$

ですから引き算すれば5番目から15番目までの和が得られます。

和の求め方を準備する(知っておく)数列

この記事ではすべて求め方を紹介しませんが、教科書にも載っている数列で初項からn番目までの和の

求め方をインプットしておかなければいかない数列は

①等差数列

②等比数列

③階差数列を利用して一般項が求められる数列

④Σの計算ができる数列

などがあります。

ほかに問題文に指示・誘導があるタイプなどもあります。

④のΣ(シグマと読みます。)について後半では、このΣの記号の計算ルールを紹介します。

和を表す記号シグマΣについて

Σ(シグマ)に登場するもの

具体的な計算の仕方はこの記事ではあまりふれません。その前にΣの記号についてのルールをまずは身につけていただきたいので、ルールについて重点的に説明していきます。

数列の問題で

$$ \sum_{k=1}^{n}a_k$$

を見かけたことがあるかもしれません。

シグマには上の例のように3箇所(上・下・右)になにがしか書かれてありましてひとつひとつ見ていきます。

①下 上の例はk=1とあります。

「文字=0以上の整数」という形式で書かれてあります。(k=0やk=nと書かれてあることもある)文字はkを使うことが多いですが、ほかにi、j、l(エル)を使うことが多いです。x、y、z、a,bはまず使いません。

初めての方は「文字=0以上の整数」と書いてある後ろに「から」と書き足すと良いでしょう。「k=1から」という意味です。

②上 nとあります。

これは0以上の整数がなにがしか書かれてあり、文字なら0以上の整数の意味で使っております。さらにk=1と下に書かれてあれば、上の数、もしくは文字は1以上の整数が書かれていないといけないルールです。(今だとnは1以上の整数、自然数の意味で置かれています。)

上については初心者の方「k=nまで」と補っておくとよいでしょう。(下がk=と書いてあるからk=とおぎないます。)

③右

右は$$a_k$$と書かれています。

右については何かが書かれているという認識で問題ないでしょう。

シグマの具体化

いよいよΣを具体的に表してみます。

さきに申し上げましたように、シグマには上・下・右になにか書かれていまして

たとえば

$$\sum_{k=1}^n \diamondsuit$$

「k=1のときの◇」+「k=2のときの◇」

+「k=1のときの◇」+・・・+「k=nのときの◇」

を意味します。

$$ \sum_{k=1}^{n}a_k$$

でしたら

$$k=1のときa_kはa_1, k=2のときa_kはa_2, k=3$$

$$のときa_3,\cdots ,k=nのときa_kはa_nですから$$

$$ \sum_{k=1}^{n}a_k=a_1 +a_2 + \cdots +a_n$$

となります。

長くなってしまいました。最後までご覧下さりありがとうございます。次回もう少しシグマの例をお伝えできればと思っております。

 

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